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願いを叶える正しいアファメーション、逆効果になるアファメーション

 
願いを叶えるのに、アファメーションが効果的だとよく言われます。確かに、アファメーションを使って願いを叶えたという事例は数多く存在し、一定の効果はあると言えるでしょう。

アファメーションとは、「自分に対する肯定的な断言」のこと。言葉を変えると脳の動きが変わり、思考や行動のパターンも変わり、現実が変わっていくメカニズムです。

しかし一方で、アファメーションにチャレンジしたけど、思うような変化が得られなかったという声も存在します。なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか?

実はアファメーションは、ちょっとした言葉の使い方次第で、効果を発揮しなかったり、逆方向に作用してしまうこともあるのです。

アファメーションにはコツがあります。この記事では、現実を動かし、願いを叶えるためのアファメーションについて解説していきます。

 

なぜ、正しくアファメーションを活用すると現実が変化するのか?

アファメーション(affirmation)とは「肯定的な断言」という意味で、願望実現に効果があると言われています。活用方法についても様々な書籍やサイトで情報が溢れていますし、試したことがある方も多いかもしれませんね。

ではそもそもなぜ、アファメーションが願望実現に効果があるのでしょうか?それは、言葉を変えると脳の動かし方が変わるからです。

脳の動かし方が変わると、その人の「物事の解釈の仕方」や「世界の見え方」が変わってきます。すると、同じ現実を目の前にしても、そこから呼び起こされる反応や行動が変わります。行動が変われば現実も変わる。アファメーションが効果を発揮するのはこういうメカニズムです。

アファメーション → 脳の動かし方が変化 → 「物事の解釈の仕方」や「世界の見え方」の変化 → 反応や行動の変化 → → 現実の変化

理想の実現に、確かにアファメーションは効果があります。しかし、アファメーションは「ただ願い事を唱えれば良い」というものではありません。アファメーションを実践する際には、ここでご紹介するいくつかのポイントをふまえて文言を作ってみましょう。
 

  

うまくいかないアファメーション5つのチェックポイント

まずは、うまくいかないアファメーションの5つのチェックポイントを見てみましょう。

願望形のアファメーション

「〜したい」「〜が欲しい」という願望系のアファメーションはうまくいきません。というのも、脳は言葉そのものではなく、言葉についている”前提”を現実化させるからです。

「〜したい」「〜が欲しい」という言葉には、「私は今、〜をしていない」「私は今、〜を持っていない」という心理的な前提がくっ付いています。すると脳は、「私は今、〜をしていない」「私は今、〜を持っていない」という前提の方を現実化させてしまいます。「〜したい」「〜が欲しい」という言葉をずっと言い続けられるような現実(願いが叶わない状態)が続いてしまうのです。
  

否定形や打ち消しのアファメーション

脳は否定形を理解できません。例えば「私は貧乏ではない」というアファメーションは、脳にとっては「私は貧乏」と唱え続けているのと同じです。

その理由は、「貧乏でない」と言うとき、脳は一度「貧乏の状態」をイメージするからです。「戦争反対」「いじめをなくす」も同じ原理です。

アファメーションは否定形ではなく、肯定文である必要があります。上記の例なら「豊か」「平和」「愛」などの言葉を使い、否定や打ち消しでない文にしましょう。
  

願いの奥に不安や恐れがあるアファメーション

また願いの奥に恐れや不安がある場合はうまくいきにくいです。例えば、「病気を治したい」という願いの奥にある想いが、「死ぬのは怖い」「病気で仕事ができなくなると困る」という恐れや不安であった場合、うまくいきにくいということです。

この場合、「なんのために健康でいるのか?」という目的をセットしておきましょう。
  

外に基準がある願いのアファメーション

そもそも、その願いが他人のためのものだったり、他人からの評価を得るため、比較で優るためのものの場合、どんなに素晴らしいアファメーションを作ってもうまくいきにくいです。

例えば、お子さんの受験というテーマで考えてみましょう。お子さんの「合格したい」という願いの奥にあるのが、「いい学校に合格して親を喜ばせたい」だったり、「あいつより偏差値の高い学校に行きたい」という想いの場合、うまくいきにくくなります。

他人のためではなく、「私はどうしたいのか?」を基準に願いを明確にすることが、アファメーションで成功するポイントです。
  

「絶対」という言葉を使っているアファメーション

「私は絶対に成功する」などのように、アファメーションで「絶対」という言葉を使う人があります。これは一見、良い事のように見えるかもしれませんが、実は逆の効果を生むこともあります。これも「絶対に」という言葉についている心理的な前提が作用するためです。

「絶対に実現する」という言葉には、「簡単には実現できない」「実現する確信がない」という前提がついています。簡単には実現できないから、実現する確信がないから、「絶対に」という強い言葉で自分を奮い立たせなければいけない、と言う前提です。

例えば、あなたがコンビニに行く時に「絶対にコンビニにたどり着くぞ!」という言い方はしないと思います。それは「コンビニにつくのは簡単であり、当然に実現できる」と知っているからです。

私たちは願いに対して「これは実現が難しいもの」「これは簡単に実現できるもの」と無意識に解釈しています。しかし脳には「簡単な願望」「難しい願望」という区別は本来はありません。「これは難しい願望だ」と解釈しているから実現が難しくなり、「これは簡単にできる」と解釈しているから簡単に実現するのです。

「◯◯を実現するのなんて、当たり前だし簡単だよね」という前提でいることも、アファメーションで願いを実現するための重要ポイントです。
  

アファメーションの効果を高める3つのポイント

自己イメージに対するアファメーションにする

願望系のアファメーションは「それはまだ実現されていない」という”前提”を実現させるため、うまくいかないことから、「アファメーションは過去形で唱えた方が良い」と言う人もいます。もちろんこれも一理ありますが、単に過去形にするだけではうまくいかない場合もあります。

例えば、「私は恋人ができました」と言うアファメーションを唱えたところで、「いやいや、今、現にいないでしょう」というツッコミが自分の中で生まれやすくなります。過去形でのアファメーションを唱えれば唱えるほど「実現してない」というツッコミの方が現実化されてしまうのです。

このような葛藤を生みにくくするアファメーションとは、「私は◯◯する人です」という自己イメージに対する言葉です。先ほどの例で言えば、「私は愛を表現する人です」「私は愛を循環させる人です」というアファメーションにすると良いでしょう。
  

主体的に行動する

どれだけアファメーションを唱えても、じっと待っていて願いが実現されることはありません。アファメーションは意識や行動のパターンを変えるためのツールにすぎません。最終的に現実を動かしていくのは行動です。

アファメーションをつぶやいて、内面を変化させてから行動すると、、様々な場面で変化を実感することができます。それは始めは些細なことかもしれませんが、小さな一つ一つの変化に気づき、前に進んでいる感覚を芽生えさせることで、より大きな目標を実現することができます。
  

朝起きた直後、寝る前につぶやく

アファメーションをつぶやくタイミングはいつでも良いのですが、特に、朝起きた直後、または寝る直前につぶやくとさらに効果的です。
これらの「頭がぼーっとした状態」とはいわゆるトランス状態と呼ばれるもので、つぶやいたアファメーションが潜在意識に直接届きやすい状態です。

トランス状態とは特別なものでも危険なものでもなく、私たちが1日に何度も体験しています。「朝起きたら必ずつぶやく」などのように習慣化もしやすいので、試してみてください。
 

 

この記事を書いた人

出口 稀一(でぐち・きいち)
トランスフォーメーショナル・コーチ
心理アドバイザー/児童心理アドバイザー

元行政職員。児童福祉司として児童相談所(虐待・非行担当)での勤務をはじめ、DV対策・人権同和対策等に従事し、延300人を超える市民の相談対応を行う。2013年に独立し、コンサルタントとして活動する傍ら、世界的に活躍する師のもとで人間心理、言語学心理、NLP(神経言語プログラミング)、LABプロファイルを学ぶ。

>>出口稀一のホームページ