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”マインドブロック”は本当に存在するのか?

理想の実現や目標達成、あるいはそのための行動がうまくいかない時、「それはマインドブロックのせい」と考える人がいます。

そして、そのマインドブロックを取り去るための様々なワークやセラピーが提供されていますよね。

もちろん、マインドブロックがあるという前提でそれを取り去る施術を受けたことにより、うまくいく人もいるでしょうし、それならそれで良いと思います。

しかし、「マインドブロックを外してもらったはずなのに、現実変わらないじゃん!」という声もちらほら聞きます。
 

”マインドブロック”なんてものはない。ないものをあると認めてしまうからうまくいかない

色んな意見があると思いますが、私は「マインドブロックなんてものは存在しない」という立場を取っています。

マインドブロックがあると言ったって、じゃあどこにあるんですか?という話です。脳みそを開いたって、心臓をレントゲン取ったって、ブロックがコロンと出てくるわけではありません。

そもそも現実がうまくいかないのは、マインドブロックがあるからではなく、ありもしないマインドブロックを存在すると認めてしまうからです。

「マインドブロックは存在する」と認めることは、そのまま「私はやりたいことが(自分の意志で)できない人」という前提を採用することになります。この前提は、自分の人生に対する主体的なコントロールを手放してしまうことを意味します。だから、自分で現実を動かしていくことを難しくさせてしまうのです。

「マインドブロックなんてものはない。自分がやりたくないからやってなかっただけ。以上」

この前提を受け入れると、「自分がやりたくなくてやってなかっただけだから、やりたくなればいつでもできる」という前提が同時に生まれます。
 

”マインドブロックと認識していたもの”の正体はなにか

「そんなこと言ったって、やる気もあるし頑張ってるのにできないこともあります。それってやっぱりマインドブロックなんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。

”マインドブロックと認識していたもの”の正体を知り、”活用する”には、「なぜそもそもそのような作用が生まれたのか?」を知ることが役立ちます。

理想の実現のために努力しているのに実を結ばない時というのは、表の意識(顕在意識)と潜在意識の意図が同じ方向を向いていない時です。

例えば、次のようなケース。
表の意識では「売上を伸ばしたい」と思っているが、潜在意識に「セールスをしたくない」と言う想いがある。
表の意識では「結婚したい」と思っているが、潜在意識に「結婚して時間とお金の自由がなくなるのはイヤだ」と言う想いがある。

この時、

「売上を伸ばしたい(表)」←→「セールスしたくない(潜)」
「結婚したい(表)」←→「時間とお金の自由を失いたくない(潜)」

というように、2つの相反する想いが綱引きをしている状態です。これをダブルバインド(二重拘束)状態と呼んだりします。そして結局、意識全体の95%を占める潜在意識の力が勝ちます。
 

ダブルバインドから抜け出すにはどうしたらいい?

そもそもダブルバインド状態が生じてしまう背景には、”役に立たない信じこみ”があります。

上記の例だと、「セールスをしたくない」という想いの奥に、「セールスすると相手に嫌がられる」とか「お金に卑しい人と思われる」という信じ込みがあったりします。

「結婚して、時間とお金の自由を失いたくない」という想いの奥に、「結婚は不自由なもの」「時間とお金がないと、やりたいことができない」という信じ込みがあったりします。

それらの信じこみは、”たまたま”過去に見聞きした具体的な体験を真実と勘違いしてしまうことから生まれます。その証拠に、「いつも必ず100%そうなるの?」「他の人がそう言っていたとして、あなたもそうなるの?」と言えば、そうではないからです。

”マインドブロックと認識していたもの”の背景にあるのは、たまたまそう信じこんでいた勘違いであることがほとんどなのです。

潜在意識は、人が持っている信じこみを維持・強化する方向に現実化する働きがあります。ですから、もし仮に売上が伸びたり、結婚したりしたとしても、「売上は伸びたけど人に嫌われる」「結婚したけど不自由」という未来を選択することになってしまいます。

潜在意識はそれをわかっているので、そんな好ましくない未来に進まないようにブレーキをかけてくれます。自分自身を守るためにわざわざ目標を達成せずにいたのです。
 

「こんな未来はイヤだ!」から、「得たい未来」に焦点を合わせていく

ほんとうは、私たちの未来には無限の可能性があります。

あなたはパラレルワールド(並行世界)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

パラレルワールドとは例えば、「売上は伸びたけど人に嫌われる未来」と「お客さんに感謝されながら売上を伸ばしていく未来」が同時に存在していて、「結婚したけど不自由な未来」と「結婚したことでさらに自由や可能性が拡大した未来」が同時に存在している、というようなことです。

パラレルワールドは、映画や小説などで表現されることもありますが、単なる空想話ではなく、科学的にも存在する可能性があると言われています。

つまり、「売上は伸びたけど人に嫌われる未来」も「お客さんに感謝されながら売上を伸ばしていく未来」もどちらも存在しているのだから、人はどちらの未来も選べるということです。

潜在意識は腕の良いタクシー運転手に似ていて、目的地(実現したい未来)を適切なやり方で伝えて、ブレーキを外してあげれば、ちゃんとその目的地に連れていってくれます。

この「目的地を伝える」時に、多くの人がやってしまいがちなのが「◎◎はイヤ」という伝え方です。これではうまくいきません。

タクシーに乗って「ここにはいたくないんだけど、渋谷もイヤだし、新宿もイヤなんです」と言ったって運転手さん困っちゃいますよね。それと同じで、望む目的地に行くためには「私はここに行きたいんです」とハッキリ伝えることが必要です。

理想と相反する”自分のホンネ”や信じこみに気づいたら、「私はこんな未来はイヤなんだな。それは、どんな未来を選びたいということだろう?」という質問によって、現実を動かしていく方向を明確にすることができます。
 

うまくいかない人は、避けたいことについて考え続ける。うまくいく人は、得たいことについて考え続ける。

 
私たちは”マインドブロックと認識していたもの”を正しく理解することによって、理想を実現する推進力に変えていくこともできます。