「完璧主義は悪いもの」と一辺倒に捉えられがちですが、完璧主義そのものには良い・悪いはありません。
完璧=理想の状態のイメージを持つことは、実現のためのモチベーションになることもあります。
重要なことは、完璧主義という表面だけを捉えて良い・悪いと解釈をつけてしまうのではなく、その奥にある心理的背景に着目することです。
完璧主義がうまく作用する時というのは、完璧主義の奥に目的への志向がある場合です。
もっとできるはず。
これが実現できたら、もっと世界は素晴らしくなる。
そんな想いに動機付られた完璧主義です。
目的志向の完璧主義の特徴としては、以下のようなことが挙げられます。
これに対して、完璧主義の奥に恐れがあると、現実的にうまく物事が展開しづらかったり、その過程で生きづらさを感じてしまうことがあります。
恐れからくる完璧主義には、次のような特徴があります。
恐れからくる完璧主義は、そもそもの前提に「今のままの私は愛されない」「今のままの私は価値がない」などの自己イメージ(セルフイメージ)があります。
「今のままの私は愛されない」「今のままの私は価値がない」などの自己イメージとは「自分に何かをゆるしていない状態」です。イラ立ち、不安、恐れ、怒りなどの感情はすべて、何かをゆるしていないことのサインです。自責や他責とは、何かをゆるしていない自分を正当化して本質に向き合わなくて済むよう、自分や他人を悪者にしているのです。
目の前の現実は、自己イメージを映しだす鏡のようなもの。「今のままの私は愛されない」「今のままの私は価値がない」という自己イメージを持っていると、その自己イメージを証明するような現実を創る方向に潜在意識は作用します。
その結果、物事がうまく進まない、対人関係がうまくいかない、生きづらさを感じる、病気になるなどの現実が創られていきます。これらのすべては、その根本をたどると何かをゆるしていないことから発生しているのです。
仕事などでの成果に対する完璧主義だけでなく、私たちは、生き方に対して「完璧かどうか?」のジャッジをすることがあります。
例えば、
これらの想いは恐れから来る完璧主義であり、これらの想いを抱えたまま結婚、出産や経済的な豊かさを望んでもうまくいきにくい場合が多いです。
理想の生き方やあり方のイメージを持つことは素晴らしいことです。そして、その理想、完璧主義の奥にある本当の想いに気づき、ゆるしていないことをゆるした時、理想に向かって現実が動き始めます。