こんにちは、心理コンサルタント、トランスフォーメショナルコーチ®の出口稀一です。
僕のセッションの中でも、「ゆるし」というテーマを扱うことがあります。
そして、「ゆるし」というテーマに直面している人ほど、過去に「ゆるしましょう!」と耳タコで言われていたりして、「わかっちゃいるけど、ゆるせないんですよね・・・」とおっしゃいます。
「わかっているのに、ゆるせない」という言葉は、そもそも、”ゆるしの本質”について理解していないことから生まれます。
そして、「ゆるしましょう!」と言っているカウンセラーの中にも、その”ゆるしの本質”を理解しないままに、クライアントにゆるすよう勧めている人もいるのかもしれません。
(だから、ゆるせない自分を責めて、さらに苦しんでしまう人が生まれる)
そこで今日は、「人を信じられない」という方のために”ゆるしの本質”ということについて書いていきたいと思います。
「人を信じられない」「誰を信用したらいいかわからない」
あなたは今、こういった悩みを抱えてこの記事を読んでくださっているのかもしれません。
その直前には、
「信頼していた人に裏切られた」
「愛していた人が自分から去っていった」
「誰も私の味方をしてくれない」
などの現実的な体験が起きていたのでしょう。
そして私たちは、その出来事がおきたことが【原因】で、自分が「人を信じられない」と感じている【結果】と思いがちです。
でも、古くは聖書や哲学者など、一部の”目醒めた”人たちが主張してきたことであり、近年では量子物理学によって証明されつつある真理は、
意識が現実を創っているということ。
つまり、潜在意識になんらかの”意図”があり、その意図に沿って今の現実を創り出していたということです。
そもそも、潜在意識はメリットのあることしかやりません。
つまり、潜在意識になんらかの意図や目的があり、わざわざ、「人を信じられないと感じる体験」を現実に創り出していたということです。
この視点を採用することは、自分の人生を主体的に創造していくためにとても重要です。
それは、人から裏切られたり、愛する人が去っていくなどの現実を創っていたのは自分自身であるという立場です。
こう言われると、「えー!そんなの私望んでないよ」と感じる人も多いと思います。
特に、傷つき感や苦しみが深いほど、その立場を受け入れることは難しく感じるかもしれません。でも、それで大丈夫です。
もちろん、私自身も「今の現実は自分が意図して創り出したものである」という視点や立場を最初から取っていたわけではありません。
自分自身の体験と心理技術の学びによって腹落ちし、その後多くのクライアントさんをサポートする中でその確信を深めていったというのが本当のところです。
ですから、今すぐこの考えを100%採用しなくても、疑う気持ちがあっても大丈夫です。
半信半疑でも良いので、もしも今まであなたが、現実を変えるために色んな努力をしてきて、それでも好転していないのなら。
今までにない新しい考えを取り入れてみることが、人生を根本的に変えていくための一つのきっかけになるかもしれません。
どうして、「今の現実を創っていたのは自分自身だ」という立場をとることが必要なのか?というと、その立場をとることで
「今の現実も、自分が創りたくて創っていたのだから、自分でやめることもできる」
という前提が、潜在意識の中に育っていくからです。
それに対して、「この現実は私が望んだものじゃない!」「他人のせいで私は辛いんだ」というように、現実や他人、環境に対して被害者であり続けることは、人生のコントロール権をみずから放棄してしまうようなものなのです。
「今の現実を創っていたのは自分自身だ」と認めること。
これによって、はじめて、人生を主体的に創造するスタート地点に立つことができます。
ここで注意してほしいのですが、「今の現実を創っていたのは自分自身だ」と認めることは、決して「裏切られたのは自分が悪かったから」と自分を責めることではありません。
自分を責める思考であれ、相手を責める思考であれ、誰かを悪者にする思考は1ミリも役立ちませんので、注意してくださいね。
「どうして私は、わざわざこの現実を創ったのか?」
「この体験から、私は何に気づきたいのだろう?」
これらの問いに対する答えを見つけることです。
あなたの潜在意識は、なぜ、わざわざ、その現実を創ったのか?
潜在意識が、一見、好ましくない現実を創る最大の目的は、
あなたが今、信じていることを証明し、現状維持することです。
例えば、潜在意識下で「私は尊重される価値のない人」という自己認識があると、潜在意識にとっては、その自己認識を維持することがメリットになります。
人間、というか、生物にとって「今の状態を現状維持する」ことは死活問題。
現状維持=安全、変化=危険 という図式が本能的に刷り込まれています。
そのために、ホメオスタシス(恒常性維持機能)といって、ちょっとやそっとじゃ変化しないように、現状維持するための機能がもともと備わっているんですね。
そして、潜在意識にも同じことが言えます。
潜在意識下に「私は尊重される価値のない人」という自己認識があると、その自己認識を現状維持するために、周囲の人に自分を軽く扱わせたり、裏切らせたりします。
もしも、周囲の人から大切に尊重されてしまうと、「私は尊重される価値のない人」という自己認識を維持できなくなってしまいますから。
それと同じように、たとえば潜在意識下に「人は裏切るもの」という信じこみがあると、そう信じ続けられる現実を創り出したりします。
そしてそもそも、それらの信じ込みの多くは、小さい頃に体験したこと(多くは、親との関わり)や、その時に見ていた両親の関係性によって創られます。
「私は尊重される価値のない人」とか、「人は裏切るもの」などのように、好ましくない現実を創り出す信じ込みは、役に立たない信じ込みです。
これらの役に立たない信じ込みは、ふだんは潜在意識の奥深くにあり、自分で自覚できないうちに現実に影響を与えています。
そして、これらの信じ込みに気づかなければ、何度でもその信じ込みを投影した現実が創られ続けていくのです。
つまり、こうとも言えます。
「人を信じられない」と言うつらい体験をすることによって、初めて自分の内面に深く向き合うことができる。
それによって、自分の人生を制限していた役に立たない信じ込みに気づくことができる。
そして、役に立たない信じ込みを手放すことで、より自分の理想的な人生を主体的に創造していくことができる。
例えば、役に立たない信じ込みを手放して、
「私はそのままで愛される、価値ある存在」
「世界は愛にあふれている」
という信じ込みを自分に採用することもできるのです。
そして、新しい信じ込みを採用することで、その新たな信じ込みを投影した現実を創っていくこともできます。
こうして見てみると、一見、つらい体験に見えることでも、人生を変えるチャンスに変えることができるのです。
「どうして私は、わざわざこの現実を創ったのか?」
「この体験から、私は何に気づきたいのだろう?」
これらの問いの答えに気づけたとき、つらい体験は感謝できる体験に変わります。
「悲しい」「苦しい」「つらい」「こんなはずじゃなかった」という意味づけをしていた体験から気づきを得て、感謝できる体験に変えること。
これが本質的な「ゆるし」です。
本質的な「ゆるし」はあなたの人生を根底から変えるほどのパワーがあります。
ゆるしは”あきらめ”とは違います。
ゆるしとは、相手の行為を正当化することでもなく、その時に感じたあなたの悲しみ、寂しさ、怒りをなかったことにすることでもありません。
ゆるしは、相手のためにするのではない。自分自身のためにゆるすのです。
だから「ゆるす」時に「悔しい」という想いが出てくる時は、ゆるしの本質からズレている可能性があります。
「ゆるす」とは、すべての体験に感謝を見出すという主体的な態度ですから、「ゆるす/ゆるせない」といった「できる/できない」の話でもありません。
「ゆるす」と決める。「今はゆるさない」と決める。それだけで良いのです。
また「何のためにゆるすのか?」という目的を明らかにしておくことも重要です。
ゆるすことそのものは目的ではなく手段だからです。
「人を信じられない」という苦しみや葛藤は、あなたの人生に必要だった。100%信じられなくてもよいので、まずはその可能性を受け入れてみることから、始めてみてください。
そこには、あなたの人生そのものの意味に気づく重要な鍵が隠されています。
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