「人は誰しもこの世界に生まれた意味、役割を持っています。それに気づけたら毎日ワクワクでハッピーになれますよ!」
心理セッションを受けるたびにこんなことを言われて、
だけど、それがわからない。自分が何をやりたいのかもわからない。
だから、人生がうまくいかない。
そんな自分はダメだ、生きててもしょうがないんじゃないか。
と自分を責めてしまう人って少なくないようです。
昨日セッションさせて頂いたクライアントさんもその一人でした。
「生きることに意味なんかないんですよ。そもそも。
生きててもしょうがないって本気で思うなら、生きなくてもいいんです。
だとしたら、どうしたいですか?」
僕がそうお伝えすると、しばし混乱。
「そんなこと言われたことない!」と。
でもそこから、堰を切ったようにやりたいことがどんどん溢れてきました。
「自分の中にこんな想いがあったなんて」と自分でもびっくりだったようです。
人が自分の中心から語っている時、その放つ空気はまったく違うものになります。
この方は3回目のセッションで、初めてお会いした時とは別人のように表情が明るくなってらっしゃいましたが(ちなみに花粉症もやめたそうです)、そこに力強さが宿った瞬間でもありました。
※僕は、「あらゆる症状は心理的要因の一つの表現である」という立場を取っており、潜在意識レベルで見ると「自分が意図的にその症状を出している」と見ます。そのため、症状については「やめる」と表現しています。
「人は誰しもこの世界に生まれた意味、役割を持っている」という前提にもとづくカウンセリングは多いですし、僕自身も「生きる目的」に気づいてもらうための問いかけを行うことがあります。
でもそれは、
「人は誰しもこの世界に生まれた意味、役割を持っているという前提が正しいのだ」
「生きる目的に気づかなければならない(うまくいかない)のだ」
ということではないんですよね。
この間違った信じこみをコーチやカウンセラーがクライアントに強制してしまうと、逆にその前提が自分を責める材料に変わってしまうこともある。
コーチ・カウンセラーとして人の人生に関わる立場の人間は、学んだことをそのまま鵜呑みにするのではなく「正しく疑い、検証する」ことが大切だなあとつくづく思います(「疑う」というのは学びの対象そのものに対してではなく、その学びの本質を自分が捉えているか?ということ)
ちなみに僕は、「生きる目的に気づくための問いかけ」とは、その人のリソースを引き出したり、脳の動きを変えるために使うものという考えです。