デヴィッド・R・ホーキンズ著「パワーか、フォースか」の意識レベル理論を実生活で活かす方法をお伝えしています

星野リゾート社長の【修正力】〜コロナ苦境にすぐれたリーダーはどのように対応しようとしているのか?

「コロナの影響による経済変化に、すぐれたリーダーはどのように対応しようとしているのか?」を知ることが最近もっぱらの関心事で、そのような視点から情報を取るようにしています。

 

先日、星野リゾートの星野佳路(よしはる)社長が「カンブリア宮殿」に出演されていたのをきっかけに、星野社長の動画や記事をいくつか拝見してみました。今、厳しい状況におかれている観光業で奮闘する星野社長の言葉や行動には、目標達成を語る上でとても重要なヒントがあると感じましたのでシェアしますね。

 

不安なこと、不都合から目をそらさない

「実現脳11の法則セミナー」でもお話ししたのですが、目標達成できない人によくあるパターンに「甘く皮算用している」ということがあります。例えば起業などでも、思った通りにお客さんがきて思った通りに売れると思っちゃう(最初に起業した時の僕もそうでした)。

 

甘く皮算用しているときって、楽しくてワクワクするしポジティブな感じがします。でも実際に動き始めてみると、目標が高いところにあるほどそのプロセスでは“想定外”のことが起こるものです。甘い皮算用しかしていないとその“想定外”が起きた時に焦ったり落ちこんだりしやすく、簡単に挫折してしまう。耳が痛い方もいらっしゃるかもしれませんが、これ、すごくよくある失敗パターンなのですね。

 

なぜ人は甘い皮算用をしてしまうのか?というと、僕たちはつい、不安要素や不都合なことから目を逸らしたくなるものだからです。逆にうまくいく人ほど不安なこと、不都合なことをしっかりと直視しています。

 

たとえば星野社長はコロナ苦境を乗り切るために、社員に向けて[星野リゾートの倒産確率]を発表したそうです。倒産確率という、企業としては最も見せたくない数字をオープンにするからこそ、社員ひとりひとりが“自分ごと”としてその数字に向き合い、倒産という“最悪の事態”を避けるために取り組んでいくことができると考えているのでしょう。

 

「最初からうまくいかない」前提で修正を重ねていく

また星野社長の言葉の中には “修正する”  “調整する” という言葉がたびたび登場します。つまり「最初からうまくいくものではない」という前提があるのですね。甘く皮算用するのではなく、厳しいシナリオを描いているのです。

 

でもそれは完全なネガティブ思考というわけではありません。「最初からうまくはいかないが、修正・調整を重ねながら目標に近づいていく。そして最後にはかならずうまくいく」という長期的なポジティブ思考が根底にあるからこそ、厳しいシナリオの中でもひとつひとつの修正に取り組むモチベーションが生まれるのです。

 

この“修正し続ける力”こそが、目標達成する人・しない人を分ける超重要ファクターのひとつだと僕は考えています。仮にスタート時点での能力や経験値が高くなかったり、厳しい状況に置かれていたとしても、“修正する力”がある人は着実に前に進んでいき、目標達成していくことが多いです。

 

不安なこと、不都合なことを直視して厳しいシナリオを描き、修正を重ねながら前に進んでいくこと。「最後にはかならずうまくいく」という長期的なポジティブ思考を持つこと。

 

元メジャーリーガーのイチロー選手は「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています」と言いました。コロナ苦境に限らず、人生には追い風が吹く時も逆風が吹く時もあります。厳しい時期ほど小さな修正を愚直に重ねていく人が“とんでもないところ”にたどり着けるのだと、星野社長の言葉を聴いて改めてそう思いました。