性に関するトラウマ体験のある方のセッションを行いました。ご本人の了承をえて、今回の経過の一部をシェアさせていただきます。
性的な被害というのは取り扱いに慎重さが求められるテーマであり、当事者にとっては人生全体に影響を与える体験となることも珍しくありません。
それだけに、私自身も「対応が難しいもの」という認識がありました。
そして、今回のクライアントに起きた一連の体験というのは、そんな私の信じこみを良い意味で壊してくれるものでした。
あらためて、人の可能性、存在としての強さ、美しさを思い知った体験でした。
最初の方は無意識の抵抗が強く、様々な角度から心理的に介入しようとしても、なかなか核心にせまれない状態が続きました。
少しずつ価値観を壊したり、暗示を入れたり。その流れの中で大きな気づきが起き、過去の解釈が転換されました。
わたしは何によっても汚されない。
誰もわたしを損なうことはできない。
わたしは純粋な愛の存在、そのものである。
これに気づいたとき、これまでの彼女自身からは想像できないような体験が起きました。
それは、「わたしは、もう大丈夫」と言うことを教えてくれるメッセージでもありました。
どんなに理不尽に思える体験であっても、被害者の立場を抜け、主体的な立場を取ることで己の存在理由と真っ直ぐに繋がる。
トラウマからの真の意味での解放は、このプロセスを経る必要があります。たんに忘れる、なかったことにすることとは、根本的に異なります。
その方がこういうことを書いてくれました。
PS.ちなみに、内面での変化を認めた翌日、身体面での変化を体感したとのことです(骨格、体つきが女性らしさを回復している)。このように、内面の課題が処置されると身体も関連する変化を表すことは珍しくありません。その意味では、すごくわかりやすい事例だと思います。