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居場所がないと感じる時、潜在意識では何が起きているのか?

執筆者:出口稀一
トランスフォーメショナル・コーチ®、心理アドバイザー


 
職場や友人関係、家庭などで、居場所がないと感じることがあります。居場所がないと感じることは、孤独感、みじめな想い、自分を責める感覚を芽生えさせる、とても辛い体験です。

この記事では、居場所がないと感じる時の、その心理的な根本原因と対処法について解説します。

この記事の目次

 
第1章 居場所がないと感じるのは、「あなたに何かが足りないから」ではない
1-1 セルフイメージ(自己認識)が鍵を握っている
第2章 居場所がないと感じる時、潜在意識では何が起きているのか?
2-1 居場所がないと感じるのは、「記憶の中の自分」を再体験しているから
2-2 居場所がないと感じる悩みの背景にメリットが隠れているケース
2-3 居場所がないと感じる悩みがセルフイメージの低さからきているケース
第3章 「居場所がないと感じる悩み」の奥にあるセルフイメージは、気づくことで変えることができる
第4章 居場所がないと感じる時、潜在意識では何が起きているのか?まとめ
第5章 居場所がないと感じる現実を変えていきたい方へ

居場所がないと感じるのは、「あなたに何かが足りないから」ではない

例えば職場で居場所がないと感じる時「私に何かが足りないからだ」と考えて、その”足りないもの”を埋めようと努力する人も多いかもしれません。

例えば「私が口下手だから」と考える人は、コミュニケーションのスキルを身につけようとしたり、「仕事ができないからだ」と考える人は、何か資格を取ったり、”一生懸命がんばる”ことで、居場所を見つけようとします。

しかし、こういった努力がうまくいく時と、うまくいかない時があります。その違いはどこから生まれるのか?というと、「居場所がないと感じる」悩みを解決する努力によってセルフイメージ(自己認識)が変化したかどうか?が結果を分けていたのです。
  

セルフイメージ(自己認識)が鍵を握っている

はじめに、下記の図を見てください。これは、NLP(神経言語プログラミング)のニューロ・ロジカル・レベルという考え方です。

  
これは、人間の意識を5つの階層に分けて整理したもので、

  • より上位の階層が、下の階層に対して強く影響する
  • より上位の階層が、現実に対して強く影響する
  • ことを示しています。

    つまり、この三角形の最上位にきているセルフイメージ(自己認識:自分で自分のことを、どういう人だと思っているか?)が、現実に対して最も強く影響しているということです。それに対して、「知識・戦略」や「行動」「環境」は、中~下位の層に位置付けられています。

    ※スピリチュアル(生きる目的)はとても重要な概念なので、別記事で改めて解説します。ここではセルフイメージ以下の三角形に注目してください。

    ということは、居場所がないと感じる時に、

  • 「知識・戦略」・・・コミュニケーションのスキルを学ぶ
  • 「行動」・・・自分から話しかける
  • 「環境」・・・転職する
  • などのような努力をしても、セルフイメージが変わらなければ、現実は好転していきにくいということです。

    セルフイメージと、戦略・行動・環境は互いに影響を与え合い、セルフイメージの方がより強い影響力を持っていますが、戦略・行動・環境もセルフイメージに影響を与えることができます。

    つまり、戦略・行動・環境レベルから現実に変化を作るためには、セルフイメージが変化するまでやりきることが必要で、その場合、セルフイメージを変えるよりも大きな労力がかかります。

      

    居場所がないと感じる時、潜在意識では何が起きているのか?

    たとえば会社や家庭で誰かと話しているとき、その表情や態度から「自分は関心を持たれていない」と感じたとき、居場所がないと感じることがあります。

    あるいは「私だけ冷たくされている」ような相手の言動を見た時に、居場所がないと感じる人もいるでしょう。

    居場所がないと感じる悩みに限らず、「現実とは何か?」を考えるとき、私たちは、目の前の世界をありのままに見て、体験しているわけではないことを知っておく必要があります。

    「私はこういう人」というセルフイメージは、いわば脳内にあるフィルターのようなもの。私たちは無意識のうちに、このフィルターを通して世界を見ています。

    たとえば「私は愛されない人」というセルフイメージを持つ人は、「私は愛されない人」というフィルターで世界を見ます。すると脳の特性により、相手の言動のひとつひとつから「私は愛されない」という証拠集めをするようになります。そして「相手から関心を向けられていない」「相手が私を嫌っている」という感覚を呼び起こします。

    その感覚から生み出される思考や感情、言動がさらに現実を創り、「やっぱり私は愛されないんだ」という前提がさらに強化されます。これが「居場所がないと感じる」悩みを発生・継続させるメカニズムです。

    「居場所がないと感じる現実」があるから「私は愛されない人」というセルフイメージができるのではなく、「私は愛されない人」という心理的前提を持っているから、「居場所がないと感じる現実」を創り続けてしまうのです。
      

    居場所がないと感じるのは、「記憶の中の自分」を再体験しているから

    このようなセルフイメージは、過去の体験の記憶から創られます。言葉を変えれば、私たちは今、この瞬間の世界を見ているのではなく、過去を見ているのだとも言うことができます。

    セルフイメージに大きく影響するのは、主に、幼少期(〜6歳ごろまで)の記憶です。この記憶とは、見たり・聞いたり・感じたりしたこと(五感情報)に、言葉で解釈がついたものです。

    たとえば長男・長女の方で、弟や妹が生まれた時、母親が下の子にかかりきりになる場面を見ていて、その映像記憶に「私は愛されない人」という解釈をつけ、それがセルフイメージの元になっている場合があります。この例からもわかるように、記憶とは、ただの信じこみであって”真実”ではありません。

    つまり、居場所がないと感じる悩みの根本にあったセルフイメージも、真実ではなく、「たまたまそう信じこんでしまっていただけ」ということです。このことを知っておくことはとても重要です。

    セルフイメージは、たまたまできた信じこみであることに気づけば、それをそのまま維持することも、新しいセルフイメージに取り替えることもできるようになります。
      

    居場所がないと感じる悩みの背景にメリットが隠れているケース

    「自己主張をしても受け入れてもらえない」「言いたいことが言えない」というように、自己主張が自由にできない環境に対して、居場所がないと感じる人もいます。

    この時、自分が置かれている環境に対して受け身で、どこか被害者のような感覚になってしまいやすいものです。「受け入れてもらえない現実」があるから「自己主張できない」と思い、そのために居場所がないと感じる、そう解釈しがちになります。

    しかし潜在意識からこれらの現象を眺めてみると、このような一見好ましくない現実にもメリットが隠れていることがあります。

    例えば「自己主張ができない」「言いたいことが言えない」という時、潜在意識下に「自己主張したくない」という思いが隠れていることがあります。自己主張したくないから、しないで済むように、受け入れてもらえない現実を創っているのです。この自己主張したくないと言う想いも、その源は過去の記憶です。

    例えば幼少期に、自己主張をして親からひどく叱られたりした体験が「私が自己主張すると、よくないことが起きる」というセルフイメージを創っていることがあります。するとその人の潜在意識は、”よくないこと”を避けるために自己主張しないで済むよう、自己主張できない環境をわざわざ創り出してしまうのです。
      

    セルフイメージの低さが背景にあるケース

    セルフイメージの低さから、居場所がないと感じる悩みが生まれることもあります。この場合、まず第一に重要なことは、他者との比較をやめることです。

    私たちは、他の誰かと自分を比較し「自分にはこれが足りない」「自分は劣っている」と決めてしまうことがあります。この他者との比較がセルフイメージを下げ、居場所がないと感じる原因のひとつになることがあります。

    私たちは本来、ひとりひとり違う”種”を持って生まれてきます。ここで言う”種”というのは、「将来、どんな実をならせるか?」というプログラムのことであり、そのプログラムが「この世に生きる目的」のために創られている、と考えてみてください。

    りんごの種には、りんごの実をならせるためのプログラムが詰まっています。
    みかんの種には、みかんの実をならせるためのプログラムが詰まっています。

    私たちが、わざわざ別の”種”を持つ他人と比較して「自分にはこれが足りない」「自分は劣っている」と信じこむことは、りんごの種が成長して実をつけた時、「俺なんでミカンじゃないんだろう?自分はダメだ〜」と思うようなものです。

    居場所がないと感じる時、他の誰かと自分を比べて「私が”あの人”みたいだったら、堂々と輪の中に入っていけるのにな〜」と言う想いはありませんか?

    この時、”あの人”は、自分には無い社交性や話術、魅力、地位、能力、収入があるように見えます。他人と自分を比較して、自分に足りないものに意識を向けている状態です。

    居場所がないと感じるセルフイメージを変えていくためのワーク
    (1)あなたが居場所がないと感じていた場面において、「私が”あの人”みたいだったら、堂々と輪の中に入っていけるのにな~」と感じる”あの人”をひとり、イメージしてください。

    (2)もしもあなたに、”あの人”が持っている社交性や話術、魅力、地位、能力、収入があるとしたら、居場所がないと感じていた場面において、あなたは、どのようにふるまったり、行動するでしょうか?またその時のあなたは、自分で自分のことを、どのような人だと感じているでしょうか?(理想のセルフイメージを設定する)

    (3)上の(2)で出てきた答えを、イメージの中で練習します。3分×20回をめやすに、そのイメージが自分に定着するまで練習しましょう。
    ポイントは、以下の2つです。
    ・理想のセルフイメージの感覚も存分に味わう
    ・理想のセルフイメージの自分に象徴的な行動をひとつ決めておく。
    例)「自分から相手をランチに誘う」など。

    (4)居場所がないと感じる場面で、「いちど思い切って」、上の(3)で練習した自分としてふるまったり、行動してみる。その際に、「理想のセルフイメージの自分に象徴的な行動」を実行してみるのも良いです。

      
    上にご紹介したのは、セルフイメージを変化させていくための最もシンプルでパワフルなワークです。

    ポイントは、”あの人”が持っている社交性や話術、魅力、地位、能力、収入が必要なのではなく、それらの要素を備えていることによって生まれるセルフイメージが現実を創るということです。それらの「あなたが自分に足りないと思っていた要素」そのものを備えていなくとも、それを持っているセルフイメージに着替えることで、現実が動いていきます。

    ぜひ試してみてください。
      

    「居場所がないと感じる悩み」の奥にあるセルフイメージは、気づくことで変えることができる

    ここまで「居場所がないと感じる」悩みの背景にある心理的要因について、事例を交えて解説してきました。

    これらのセルフイメージは、自分で持っていることに気づかなければ、振りまわされるしかありません。しかし、自分がどんなセルフイメージを持っていたか?に気づくことさえできれば、そのセルフイメージを持ち続けることも、別のセルフイメージに取り替えることもできるようになります。

    自分が持っていたセルフイメージを否定したり、「こんなセルフイメージを持ってる私ってやっぱりダメだ」と自分を責める必要はありません。まずはただ気づいて、自分の想いを認めてあげましょう。それだけで現実が動いていくことも十分にあります。

    「あー、私はこんなセルフイメージを持っていたから、わざわざ”居場所がないと感じる”現実を創っていたんだな」と気づくこと。この気づきが現実を変えていく大きな一歩になります。

    居場所がないと感じる時、潜在意識では何が起きているのか?まとめ

    さいごに、以上にご紹介した「居場所がないと感じる時、潜在意識では何が起きているのか?」をまとめます。

    • もっとも重要なのは、潜在意識下にあるセルフイメージ。
    • セルフイメージは、「たまたまそう信じこんでいただけ」の話で、真実ではない。
    • 他者と比較して、自分に足りないものを探すのをやめる
    • ”うまくいっているあの人”のセルフイメージを取り入れる

    居場所がないと感じる現実を変えていきたい方へ

    あらゆる悩みや理想の実現を阻害する要因は潜在意識に根本原因があり、その根本原因にアプローチすることで現実を変えていくことができます。

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    参考記事:人間関係がうまくいかない時の潜在意識にある要因と現実を変える方法
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