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【前編】軽く扱われる人の話し方、一目置かれる人の話し方

職場などの人間関係において「なぜかいつも軽く扱われてしまう」「他の人と違う失礼な態度をされている」という悩みを抱えている方も少なくないと思います。

>>このクライアントさんのようなお悩み

 
これから2回に分けて、その根本原因と解決策についてお伝えしていきたいと思います。

 

まず理解しておきたいのは、僕たち人間も動物どうしだということ。なのでよくも悪くも、人と対峙した時には無意識に「この相手は自分よりも強いか、弱いか」を判断し振る舞いを変えています。

 

例えば自分より強い相手と判断すれば緊張したり、丁寧に下手(したて)に接したりする。逆に、自分よりも弱い相手と判断すればリラックスしていられたり横柄な、雑な態度をとったりするという具合です。

 

この「自分より強いか、弱いか」の判断は動物的、本能的なもの。そして、僕たちの動物的、本能的な反応は無意識が司っているので意識せずとも自動的にそうなるものともいえます。

 

この無意識的、自動的な反応がコミュニケーションに与える影響は「メラビアンの法則」という有名な法則を使って考えることができます。

 

メラビアンの法則とは、コミュニケーションにおいて交換される情報を

◎言語情報(話しの内容そのもの)
◎視覚情報(表情、身ぶり手ぶり、しぐさなど)
◎聴覚情報(声の高低、間、スピードなど)

 
という3つに分けた時に、話し手の「言語情報」と「非言語情報(視覚+聴覚)」に不一致が起きている場合、非言語情報の印象がより優先して伝わるという理論です。

 

例えば誰かと会話をしていて「相手は言葉では好意的なことを言っているが、なぜか嫌な感じがする」という体験をしたことがある人も少なくないと思います。これは、言葉よりも表情やしぐさ・声のトーンなどの非言語情報からその「嫌な感じ」を感じとっているからなのです。

 

人は、この非言語表現のほとんどを無意識のうちに自動的に発しています。つまり僕たちは、言葉では嘘をつけても非言語では嘘をつけないのです。

 

そして、「なぜかいつも軽く扱われてしまう」人はまさにこの非言語表現によって、
「私はあなたより弱い人間です」
「私は軽く扱っていい存在です」
と相手に伝えています。

 

例えば、

  • おおげさなあいづちやお辞儀、ヘラヘラと作り笑顔をする
  • 間違いを指摘された時などにムッとする、笑ってごまかす、目が泳ぐなどの防衛的な反応をする
  • 人に何か尋ねられた時に「あっ」と言って話す
  • 身体が緊張している、呼吸が浅い、声が上ずる
  • 語尾が不明瞭だったり、尻すぼみになる
  • わかっていないことをわかっているふりをして言葉をつなぐ(声のトーンが不自然になる)
  •  
    こういった非言語表現をする人は軽く扱われやすい傾向があります。その根本にあるのは「ありのままの自己に対する否定的な感情」です。

     

    人間にとって自分自身を否定することはとてもつらいこと。なのでそのような感情があると、無意識に他者からの評価によってそれを埋め合わせようとします。しかし、他者の評価を使って自己否定感を埋め合わせようとするほど「人が自分をどのように見ているか」に敏感になってしまうため、他者に対してビクビクしてしまうのです。

     

    恐れの裏返しで攻撃的になる人もいますが、いずれにせよ、その「ビクビクしている感じ」が非言語表現を通じて相手に伝わり「こいつは弱い、軽く扱ってもいい人だ」と感じさせてしまう。人から軽く扱われる悩みを抱えている人のコミュニケーションでは、このようなことが起きているのです。

     

    長くなったので今日はこのへんで。

     

    次回の記事では、悩みの原因がわかったところで「では具体的に何をどう改善すればいいのか?」についてお伝えしますね。