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なぜ、口角を上げて「幸せです」とつぶやいてもうまくいかないのか?

先日、クライアントさんからこんな質問をいただきました。

 

「スピリチュアルな話題を好む人たちの間で、口角を上げて笑顔で『幸せです』と言い続けたら幸せになれるよ、などと言ったりしますよね。

でも実際には、そのような実践をしても幸せを感じられていなかったり、現実的にもうまくいっていない人が多い気がします。なぜなのでしょうか?」

 

人は、笑顔でいると幸せを感じるように設計されている

「楽しいから笑顔になるのではなく笑顔でいたら楽しくなる」という言葉を、あなたも見聞きしたことがあるかもしれません。

 

これは脳科学的にも裏づけられており、人は笑顔になると脳内で快楽ホルモンのドーパミンが分泌され、幸福感を感じるようになっています。

 

また「姿勢がよくなると、自己評価や自分の未来に対する確信度が高まる」ことを示す実験結果があったり、マザー・テレサの

 

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

 

この有名な言葉も、人の内側(意識)と外側(表情や行動、口にする言葉)は相互に影響しあっていることを教えてくれます。

 

では、笑顔を作っていたり「幸せです」と言い続けているにも関わらず、幸せを感じられず現実的にも変化を実感できない人が少なからず存在するのはなぜなのでしょうか?

 

その答えは、そのような人たちは「現実が変わってから良い気分になろう」としているからです。

 

「笑顔を作って『幸せです』と言い続けていれば、恋人と出会ったり、お金が入ってきたり、仕事がうまくいったり、嫌な相手が優しくなったりと、良いことが起こるはず。そしたら私は、幸せを感じられる」と考えているのですね。

 

それは表現を変えると「現実が変わらなければ、良い気分になってはいけない」という思いこみとも言えます。

 

このように思いこんでいると、言葉では「幸せだ」と口にしながら心の中では「まだ現実が変わっていないから今、私は幸せではない」という打ち消しの想いを発してしまうのです。

 

そして、この「今、私は幸せでない」が現実に投影し、幸せを感じられない現実が維持・強化されていきます。

 

現実はいつも、意識の変化の後追いで変化していくもの。

 

「内側が先、外側はあと」なので「私は今、幸せだ」という感覚が育つことで、それが現実に投影し現実的にもポジティブな変化が起きていくのです。

 

大切なことは、今、自分が置かれている現実のままで
「今、私は幸せだ」
「今、私は最高だ」
という感覚を育てていくことです。

 

今、自分がおかれている現実に不足を見てフォーカスするのではなく、笑顔や「幸せだ」という宣言によって自分の中に生まれる幸福感や心地よさにフォーカスし、育むことです。

 

逆説的ではありますが、「現実が変わっても、変わらなくても今、私は幸せだ」という感覚が育っていくと、驚くような現実的な変化が起こっていくものです。