今日は、バラエティ番組などで活躍されている杉村太蔵さんのお話をご紹介したいと思います。
杉村太蔵さんと言えば、元(おさわがせ)国会議員で、現在はいじられキャラっぽいタレントさんのイメージですが、同時に実業家、投資家としても活躍されています。
参議院議員選挙落選から4年で築いた資産は1億円を超えているそうです(今はもっと増えていらっしゃると思います)。
ところで、あなたは杉村太蔵さんがどのような経過をたどり、国会議員に当選されたのかご存知でしょうか?
実はそのストーリーがとても面白くて、僕たちにも学べることが沢山あるんですね。
今日は、杉村太蔵さんの著書「バカでも資産1億円」から読み解く【人生に奇跡を起こす秘密】を紹介していきます。
杉村太蔵さんの奇跡のストーリーは、大学を中退したのち、就職活動に失敗したところから始まります。
日雇いの仕事で食いつないでいた杉村太蔵さんは、派遣会社の紹介でオフィスビルの清掃の仕事を始めました。
勤務時間は平日朝6時から午後3時まで。
フロアに掃除機をかけ、ゴミを回収し、廊下や階段を磨き、トイレを掃除します。
50〜70代がほとんどの清掃員の仲間たちに混ざって、杉村太蔵さんは、仕事に誇りを持ちやりがいを感じながら真剣に取り組んでいました。
業務用の消毒液ひとつ取ってもコストを意識して、いかに適量でピカピカに磨き上げるかを心がけていたそうです。
当たり前のことのようで、誰にでもできることのようで難しいことなのかもしれません。
僕も起業したばかりの頃、それだけで食べていけなくてコンビニエンスストアでアルバイトしていた時期がありますが、公共のトイレってすぐに汚れてしまうのです。
一生懸命キレイにしてもあっけなく汚れ、散らかされるトイレを見ているとだんだん「掃除したってどうせすぐ汚れる」と思うようになります。
そうやって次第に僕は手抜きを覚えるようになり、表面だけササッと適当に掃除を済ませていたのを覚えています。
ましてや杉村太蔵さんの場合、就職活動に失敗してからの清掃の仕事です。
スーツを着た同年代の若者たちが颯爽と歩くオフィスビルでトイレを磨いていると、彼らと自分を比べ落ち込んでしまっても不思議ではありません。
でも、杉村太蔵さんは違いました。
自分と誰かを比べることはせず、仕事がある今の状況に感謝をして、自分にできる精一杯の仕事をしていたのです。
すると、その姿が外資系証券会社の役員の目にとまります。
突然にスカウトされ、1週間後に試験を受け、転職することになったのです。
その証券会社でも、目の前の課題に対して全力で取り組むという杉村太蔵さんのあり方は変わりませんでした。
周囲は国内外の一流大学を卒業した優秀な人材ばかりで、大学中退の杉村太蔵さんは学歴という点では完全に負けていると感じていたそうです。
それでも自分にないものを悲観するのではなく、ただその事実は事実として認識し、どうしたらそのハンデをカバーし超えられるか?を考えて行動していました。
そのような日々を過ごしている中で奇跡のような偶然が重なり、国会議員当選へと繋がっていきます。
証券会社で働き始めて1年が過ぎた頃のことです。
雑用係としてキャリアをスタートした杉村太蔵さんは、必死で働いたかいもあってアナリストアシスタントとして活躍するようになっていました。
時は2005年5月。
当時、小泉純一郎首相のもと郵政民営化に向けて国会が動いていた時期です。
郵政民営化が実現すれば株価へ大きな影響が予想される中、杉村太蔵さんは上司から国会審議を注視するよう指示を受けます。
情報を集め、レポートをまとめていた杉村太蔵さんは、自由民主党のホームページで衆議院議員選挙の候補者が公募されていることを知ります。
第一次審査は論文課題。
テーマは
「郵政民営化と構造改革について」
まさに杉村太蔵さんが調べている内容でした。
この時は、小泉首相へファンレターを送るつもりで論文を送ったそうなのですが、それがきっかけとなって出馬が決まり、自民党圧勝の追い風が吹く中あれよあれよという間に比例35位で当選を果たしてしまいます。
投開票を終えた午前2時、迎えにきた黒塗りのハイヤーを見て杉村太蔵さんは「ぼくの人生、なにかが変わったな」と思ったそうです。
杉村太蔵さんの生き方から学べる【人生に奇跡を起こす秘密】とは、
◎今の状況に感謝をして、自分ができることに全力を尽くすこと
◎自分と誰かを比べて自分に足りないものを悲観したり、自分にダメ出しをしないこと
◎自分と誰かを比べて自分に足りない部分があれば、その事実は事実として認識する。そして、それを補ったり強みに変える方法を主体的に考えて行動すること
この3点だと僕は考えています。
今、目の前にある現実に対して
「これは自分の本当にやりたいことではない」
「あの人にはあるものが、自分にはない」
と感じてしまうこともあると思います。
僕も、コンビニでアルバイトをしていた時期はそう思っていました。
でも、そうやって「ここではないどこか」を求め続けるかぎり、その”どこか”にたどり着くのは難しくなってしまうのかもしれません。
「今の否定」の先に待っているのは、「否定したくなる未来」だからです。
今、自分がいる場所にひとつでも、ふたつでも感謝できることを見つけ、自分にできる精いっぱいを出しきること。
他人を見てねたんだり落ちこんだりするよりも、自分自身に集中すること。
自分に足りないものがあるならそれを補ったり、逆に強みにする方法を考えること。
今、自分がどんな状況に置かれていようと「自分のあり方」が変わると想像を超えるようなチャンスにめぐり合い、人生を変えていけることを杉村太蔵さんの生き方は教えてくれています。