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「悲しみを避けなくてもいい」ってよく言うけど・・・

心理系のブログなどを読んでいると

「悲しみを避けなくてもいい」

ということが良く書いてありますよね。

 
でも、なぜそうなのか?

 
避けなかったら避けなかったで、つらいんですけど!どうしたらいいの?

という疑問がわいてきますよね。

 
クライアントさんからもよくこういったお尋ねを受けることがあるので、ふだん、僕がお答えしていることを書いていきますね。

 
まず、「悲しみを避けなくてもいい」というよりむしろ、「悲しみを避けようとしない方がいい」のです。

 
なぜなら、悲しいという気持ちを「よくないもの」と決めて「避けよう」「抑えよう」とすればするほど、その悲しみは消えなくなってしまうからです。

 
人の意識の原理として、意識を向けたものが拡大します。

 
「避けよう」という思考そのものが、その対象に意識を向け続けることになり、エネルギーを与えてしまうんですね。

 
悲しみだけでなく、あらゆる感情は自分自身が感じたくて感じているのだから、それを「悪いもの」として避けなくていい、避けない方がいいのです。

 
悲しみを感じることは、苦しさを伴うかもしれませんが、その苦しさも、「悪いもの」と決めなくても良い。

 
悲しい時には、「今はその悲しみを感じたい時なんだ」と受け入れる。

「私、悲しいんだな〜」と客観的に眺めてみる。

 
あらゆる感情は、避けようとせず、ただ感じていれば、やがて消えていきます。

思考は感情のガソリン

でも、その感情にエネルギーを与えるものがあります。それは思考です。

 
感情が炎だとすると、その感情を呼び起こす元になった出来事についてあれこれ考え続けることは、その炎にガソリンを注ぐようなもの。

 
だから、感情を感じて終わらせるためには思考を「止める」「切り替える」ことが大切になってきます。

 
思考を「止める」「切り替える」にはコツがあります。それは、思考をめぐらせている対象の時間軸を意識して、「今、この瞬間」にそれを合わせていくことです。

 
「思考の対象の時間軸」について、少し解説しますね。

 
人が感じているネガティブ感情に紐付いている思考の対象は、時間軸の上に広がっています。

 
例えば、「今日、あの人にあんなこと言われたな〜ムカツク!」だったり、「老後が不安だな〜」だったり。

 
10年前のことだったり、10年先のことだったり、昨日のことだったり、明日のことだったりします。

 
つまり、ネガティブ感情に紐付いている思考とは「すでに終わった過去」か「まだ来ていない未来」をあれこれ考え続けることです。「今にいないこと」がネガティブ感情にガソリンを注ぐのです。

 
その思考が広がっている時間軸に気づけたら、その時間軸を「今、この瞬間」に向けてだんだん狭めていく。

 
10年前でもなく、10年先でもなく、昨日でもなく、明日でもなく。

 
1時間前でもなく、1時間先でもなく、5秒前でもなく、5秒先でもなく。

 
ただひたすら、「今、この瞬間」を中心にして思考の広がりを狭めていきます。

 
そして、思考の広がりが細い糸のような「今、この瞬間」になったとき、思考は止まっています。

 
この状態で、感情を、そして共に起きている身体感覚(胸がキュッと痛むとか、頭が重いなど)をただ感じる。

 
思考を止めて、ただ感じれば、それはやがて消えていきます。