今日は、人間関係に悩まれているすべての方々へ、とても重要な示唆に富むオノヨーコさんの話をシェアしたいと思います。
オノヨーコさんの夫、ジョンレノンが射殺されたのは1980年12月のこと。
当時、大切なパートナーを突然失った彼女の悲しみと喪失感は、とても深いものでした。
食事も喉を通らず、ベッドから起き上がる気力もなく、ただ涙が出てくるだけ。
そんな彼女に追い討ちをかけたのが、周囲の人たちからのひどい嫌がらせや誹謗中傷でした。
最愛の人を失ったうえに周囲は敵だらけで、彼女はどんどん追いつめられていきました。
このままでは私はダメになる。
息子のためにも、前を向いて生きなければ・・・・
そんな”最悪の状況”のときにオノヨーコさんが始めたのが、Bless(祝福)でした。
夜眠りにつく前に、自分の中に思い浮かんだ相手に対してBlessしていくことをはじめてみたそうです。
このとき不思議だったのが、オノヨーコさんの中に浮かんでくるのは、自分に嫌がらせや誹謗中傷をしてくる人たちばかりだったということ。
「わたしはなぜ、こんな嫌な人たちのことを祝福してるんだろう」
自分で不思議に思いながらも、彼女はBlessを続けていきました。
本当だったら怒りをぶつけたい憎い相手に対して、ひたすら祝福していったのです。
1週間ほど続けていると、気持ちに変化が現れていきました。
なぜか、自分に嫌がらせや誹謗中傷してくる人たちへの怒りが次第に薄れていったそうなのです。
同時に現実的にも変化が現れていきました。
オノヨーコさんを攻撃していた人たちが他のことに忙しくなったり、仲間割れをしたりして、彼女に向けられていた攻撃が鈍ってきたのです。
・・・・・・・・・
このエピソードで興味深いのは、オノヨーコさんは
「自分でもなぜ、こんな嫌いな人たちのためにBlessしているのかよくわからなかった」
ということ。
これは、精神的にギリギリのところまで追い込まれたオノヨーコさんの潜在意識が
「今のわたしに必要なのは、相手に向けている怒りや憎しみを癒すこと」
と教えてくれたのかもしれないと僕は考えています。
潜在意識は自分と他人を区別しないので、他人に向けた怒りや憎しみはそのまま自分に向かい、自分自身のパワーを奪うことになります。
オノヨーコさんはBlessによって、相手と自分自身に向けていた怒りや憎しみを癒していったのです。
「Bless(祝福)」という言葉は多くの日本人にとってはピンと来にくいものだと思いますが、「Bless=誰かのための祈り」と解釈するとイメージしやすいと思います。
「祈り」というと特定の宗教を信仰している人にのみ意味を持つもののように考える方もいらっしゃるかもしれませんが、けしてそうではありません。
祈りが人にもたらす効果は科学的にも実証されていて、主に医学の分野でハーバード大学やコロンビア大学などでも研究対象となっています。
祈りが人の遺伝子レベルにも影響を与えることも明らかになっています。
特定の宗教を信仰している・いないに関わらず、誰かのために祈ることは人間にとってポジティブな作用をもたらすのです。
もしも今、あなたに
・ゆるせない相手
・恋愛や仕事のライバル
・関係がうまくいっていないパートナー
・フラれた恋人
などがいればその相手のために祈ることがあなた自身を癒し、現実を動かす力になるかもしれません。