「婚活をしてるけど、いいなと思う相手とはお見合いが成立しない」
「起業したけどセールスがうまくいかない・苦手で悩んでいる」
「人間関係において下に見られたり、軽く扱われてしまうことが多い」
といったような悩みを抱えていませんか?
そんな自分を変えようと、今までいろんな努力を続けてきた方も多いでしょう。でもなぜ、うまくいかないパターンをくり返してしまうのか。それは無意識のうちに、相手にあなたの「期待を伝えているから」です。今日はそんなお話をしていきます。
まずはじめに教育心理学の「ピグマリオン効果」について解説しておきたいと思います。ピグマリオン効果とは「教師の期待によって学習者の成績が変化する」という心理効果です。
教育心理学者のローゼンタールは、次のような実験によってピグマリオン効果を実証しました。
ローゼンタールの実験
(1)「成績の良い生徒たちのクラス(A組)」と「成績の悪い生徒たちのクラス(B組)」を作る。
(2)「成績の良い生徒たちのクラス(A組)」を担任することになった教師には、事前情報として「このクラスの生徒たちは成績の悪い生徒たちだ」と伝える。
また「成績の悪い生徒たちのクラス(B組)」を担任することになった教師には、事前情報として「このクラスの生徒たちは、成績の良い生徒たちだ」と伝える。
(3)それぞれの担任がクラスを指導する。
(4)その結果、「成績の良い生徒たちのクラス(A組)」の生徒の多くは成績が下がった。逆に「成績の悪い生徒たちのクラス(B組)」の生徒の多くは成績が上がった。
つまり、担任が「成績の良い生徒たちだ」と認識していた生徒たちは実際に成績を上げ、逆に、担任が「成績の悪い生徒たちだ」と認識していた生徒たちは実際に成績を下げたということです。この実験から、自分が相手をどのように認識しているか?によって、その相手はふるまいを変え、結果(現実)を変えるということがわかります。
なぜこのようなことが起きるかというと、人は「相手が自分に何を期待しているか?」を知ってしまうと、その期待どおりにふるまおうとする習性があるからです。例えばあなたが、誰かから「◯◯さんていつもお洒落で素敵ですよね〜」と言われたら、その人の前でダサい格好ができなくなったりしませんか?それと同じです。
また、この時の「期待」とは、ポジティブなもの(この生徒たちは成績がよい等)だけでなく、ネガティブなもの(この生徒たちは成績が悪い)も同様に作用することは、ローゼンタールの実験が示す通りです。
そしてさらに重要なのは、この「期待」は、無意識のうちに相手に伝わっているということです。
人の意識は、自分で知覚できる顕在意識(表の意識)の領域と、潜在意識(無意識)の領域とに分けられます。このうち自分で知覚できる顕在意識の領域は、意識全体のたった5%程度と言われています。逆に自分で知覚できない潜在意識(無意識)の領域が、意識全体の95%を占めることになります。
表の意識と潜在意識の関係は、よく海に浮かんだ氷山に例えられます。海面から顔を出している部分が表の意識、海面から下に隠れて見えない部分が潜在意識。
「氷山の一角」という言葉があるように、見えている部分はほんの一部ということです。このあたりは見聞きしたことがある方も多いかもしれません。そして僕たちはふだん、自分で知覚できる言葉や表情、身ぶり手ぶりによってコミュニケーションを取っていると思いがちです。でも、それはあくまでもたった5%の領域でのコミュニケーションに過ぎません。
人は、自分でも見えない95%の無意識領域でもコミュニケーションを取っているのです。
例えば誰かと話をしている時、相手は言葉では良いことを言っているのに「なんかこの人の言うこと信用できないな」と感じた経験はありませんか?それは、相手が5%の顕在意識で発しているメッセージと、95%の潜在意識で発しているメッセージとが矛盾している時です。その矛盾をあなたの潜在意識がキャッチして、違和感という形で知らせてくれているんですね。
このように、人自分でも見えない無意識領域でコミュニケーションを取っており、その影響力は、知覚できる言葉や表情なんかより圧倒的に大きいのです。
そして、無意識のうちにあなたが相手に伝えている「期待」を相手の無意識がキャッチして、相手もまた無意識のうちにその「期待」どおりにふるまってくれている。人間関係においては、このような相互作用がはたらいていると考えられます。
少し長くなったので、また明日に続きます!
↓続きはこちらから↓
「自分は気づいていないが、他人は知っている自己」が人間関係を決めている