デヴィッド・R・ホーキンズ著「パワーか、フォースか」の意識レベル理論を実生活で活かす方法をお伝えしています

その人に返さなくていい。世界に返したらいい

クライアントさんの直面されているテーマが、同じ時期に集中することが時々あります。

 
それは、僕自身のテーマの投影のこともあるし、
僕の価値観をゆさぶるために起きていることもあるし、
「そういったクライアントさんに貢献していきなさい」
というサインだったりもします。

 
そしてここ最近は、「親からの自立」「親との決別」がテーマとなっているクライアントさんがとても多いのです。

 
親に自分の意志を尊重してもらえない。
罪悪感を刺激する発言やふるまいをされて、やりたいことができなくなってしまう。

 
このような親子関係が長年つづく場合、親から精神的・物理的・経済的に自立することが、その人のターニングポイントになることは少なくありません。

 
ですが、親から精神的・物理的・経済的に自立しようとするとき、

「親を大切にしない私はダメだ」
「育ててくれた親をないがしろにする私は冷たい人間だ」

こういった罪悪感によって、決断に迷いが生じることがあります。

 
実際は、親と子がお互いに自立することと、「ないがしろにする」ということはまったく別の話。

 
そうアタマではわかっていても、「親を大切にすることが美徳」とされる社会では、そのような想いが生まれてしまいやすいのですよね。

 
これは親子関係にかぎったことではなく、人は「もらった恩を返さなければ」という思いこみから生き方に制限をかけたり、本当はやりたくないことをやってしまうことがあります。

 

「世界に返す」という考え方

この「もらった恩をどう返すか?」ということについて、僕自身の経験と考えをシェアしますね。

 
僕は公務員やめて独立したての頃、とてもお世話になっていたビジネスの師匠がいました。

 
その方はビジネススクールを主宰されていて、僕はそのスクール生。そして当時の僕は、本当に落ちこぼれでした。

 
ですが、その師匠もご実家が九州だったり、たまたま誕生日が一緒だったこともあり、いつも僕のことを気にかけてくれていたんですね。

 
公務員という肩書きが外れたら誰にも興味を持たれず、かといってなにか得意なこともなく、自分の存在価値を感じられなくなってしまっていた頃。そんな時も前に進み続けてこれたのは、その師匠の存在があったからだと思っています。

 
でも、僕自身も変化し成長していく中で、その師匠のビジネスモデルや主張、世界観に対して、僕はしだいに関心が薄れていきました。

 
師匠に恩返しするためには、そのスクールに行ってアシスタントをしたり、そのスクールで成果を出すしかない。

 
でも、それが「今の自分」のやりたいこととは違ってきたのです。

 
そこでふと気づいたのは、その師匠からいただいた恩や愛を、師匠だけに返そうとしなくていいんじゃないか、ということ。

 
僕が今、関わっている人、そしてこれから関わる人たちに返していけばいいんじゃないかと気づいたのです。

 
例えば学生時代や会社の先輩後輩関係でも、自分が後輩の時には先輩におごってもらい、自分が先輩の立場になったら後輩におごってあげる、ということがありますよね。

 
そういった体験の中で、たんなる金銭的なやりとり以上の体験が得られたり、文化の伝承といったことが行われていったりします。

 
1対1でお互いに与え、与えられることも豊かな体験ですが、誰かにもらったものを別の誰かに返していくことで、”世界”がさらに豊かな場所になる。

 
僕はそれをやっていこうと決めたんですね。

 
その師匠とはもう2年以上お会いしていませんが、僕はその恩や愛を、目の前のクライアントさんに返していくつもりでやっています。

 
親子関係も同じ。

 
親から与えてもらったものを、親に直接返すこともできる。

 
そして、今そばにいる人、これから出会う人たちや”世界”に対して返していくことも、どちらも選んでいいし、どちらも価値のあることなのです。

 
 

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